ヨシナシブイシ

新規V6ファンの書き捨て

V6の楽曲における時間観について 『Orange』と『Timeless』

青封筒も無事に届き、わくわくしているあさぎです。『Timeless』を聴いてからずっともやもやと考えていることがあって、小出しにツイートしてみても物足りないので、ずっとほっといたこのブログを使ってまとめてしまおうと思います。メンバーについて書くとか言ったけど岡田で力尽きてしまった。

全然専門書も読んでないし聞きかじり知識に基づいた自己満文章なので話半分に読んでください。

簡単にいえば、『Orange』から『Timeless』に至るまでに、一本の時間軸に基づく伝統的な時間観から、「差異と反復」という創造と永遠を孕む時間観に進化している、ということです。

Orange

まず、10周年記念シングル『Orange』の時間観から見ていきます。この楽曲における時間は、伝統的な西洋の時間観、そして今のグローバルスタンダードとなっている、今の私達が持つ時間観です。それは、時間は基本的に一方に流れる不可逆なものである、という見方であり、殆どの人がうなずけるものであると思います。(余談ですが、『羽根~beginning~』における「時間は大きな円環を描く」という部分は、日本で伝統的に見られる、春夏秋冬のサイクルに基づいたベクトルを持たない時間観を想起させます。)

話を戻して、具体的には、「時計の針を回して 昨日に戻れるなら 迷い続ける僕に 何を今告げるだろう」という部分。現在の自分=Aは、過去の自分=Bのもとへ、時計の針を戻すことで何かを告げることができます。この時点で、AとBは連続性を持っており、かつAはBより「未来」を生きているということは明白です。これは現在のわれわれなら感覚的につかむことができる、つまりは一般的な時間観に基づいたものであると言えるでしょう。(タイムパラドックスやそれに付随するパラレルワールドは置いておいて)

そういやそもそも「時計の針」がキーワードになってて、例えばコンサートの演出でも効果的に使われている時点で、深く考えなくてもわかることだったな…。

Timeless

では、いよいよ今回の20周年の記念となるシングル、『Timeless』に移ります。この楽曲に関しては、音楽そのものではなくPVに注目してみていきます。「過去・現在・未来」のV6が交差する今回のPVは大変見ごたえのあるものになっています。が、同時に、10年前の時間観から一歩抜け出したという重要な要素もあるように感じられます。メンバーひとりひとりが同じ振りを20テイク撮り、1シークエンスで見ていくという今回のPVでは、まさにタイトル通り永遠を体現しているのです。

このことを説明するために、ジル・ドゥルーズの「差異と反復」という考え方を(都合良く)用います。これは、一本の軸の上を時間が流れていく、という考え方を根本的に見直し、時間は、同一のものが瞬間瞬間(と言ったら少し違うが)で絶対的に相異なる差異を生み出してその新しさを反復していくことによって見出されるものであり、それは「永劫回帰」を孕む、という考え方です。創造→差異の顕在→反復→創造…といったモデルかな?認識間違ってるかもだけど。

PVに置き換えて考えてみると、例えば坂本昌行が20回、「同じ」振りを反復したところで、それが一つの画面上にある以上、それぞれの坂本昌行A~Tは絶対的な差異がある存在であるということを提示することになります。これは、「差異と反復」を映像として体現しているのではないでしょうか。

そしてここでさらに、V6というグループが持っている価値を考えてみます。それぞれテイクをとっているとき、6人は同じ瞬間を共有しています。六者六様の「差異」を持っているものの、それぞれ他のテイクでの自分自身とは(自分自身とさえ)決して共有できないものを、メンバーでは共有してしまっているのです。これはとてつもなく尊いものでしょう。

つまり、『Timeless』のPVにおいて、「同一個人の時間的差異」と「同一時間の個人的差異」が交錯し、反復されていっているのです。「差異と反復」が永劫回帰のモデルであると考えると、V6はついに伝統的時間から解放され、永遠性を帯びたものになると言えるのです

(しかし、同一個人を考える際に発生する同一性や、同じ画面上を切り取るという「現在」に重心を置いた考え方は、常にドゥルーズの批判にさらされるものですが、今回はおいしいところどりがしたいということ、そもそも「表象」の最たる存在と言える「アイドル」を軸に考える以上無理があるということであえて無視している。)

 

『Orange』から『TImeless』へ、時間観の変遷があったと感じた、ということをわかっていただけたら嬉しいです。

何が言いたいかっていうとあのPVはまさにTimelessでV6は奇跡だということなんだよぉ…

 

他にもホールドアップダウンにおけるフロイト的演出とドゥルーズに至る布石とか、時計の針に対応する時計の振子(反復する機構)の振りとかいろいろ言いたいけどなんか自分で泥沼にはまっているのがわかるしガタガタな知識を露呈するだけだとわかるのでやめときます。ていうか分ってる人が見たら本当にひどい論理だと思う今更。でも何事も理論の破壊と創造ありきだよね(ゲス顔)